国際中医薬膳師/料理研究家
東京健康科学専門学校非常勤講師
坂井美穂 MIHO SAKAI
パリコレクションなどショーを中心にモデルとして活動。
帰国後、国際中医薬膳師の資格を活かし、体の中からあふれる美しさや健康を追求した「フレンチ薬膳」を提案。
料理教室、企業との商品開発、レストランへのレシピ提供など行っている。著書に「かんたんフレンチ薬膳」(主婦と生活社)
「血めぐり薬膳」(A&F出版)。
~ かけがえのない人と、かけがえのない時間から生まれたたもの ~
モデルを本業としていた頃、大切な両親を二人とも病気で失ってしまいました。
優しく、穏やかな父
温かくて太陽みたいな母
絶対に死なせない。その気持ちだけで必死でした。
私にできることの全てをしたかった。
食事では、熱を冷ます食材は何か、むくみを取る食材は何か、少しでも薬以外で何か出来ないか自分なりに調べ工夫して作っていました。
これが私と薬膳の出会いです。
両親を死なせたくない、ただそれだけで学び始めた薬膳。
これが薬膳の道への一歩となりました。
薬膳は病気を治すものではありません。
病気になる前の“未病の状態”から、いかに早く健康に戻すかが大きな役割です。
大切な両親を守ることは出来ませんでしたが、死と向き合っている人と一緒にいたからこそ、気づいたことや伝えたいことがあります。
人は生まれたら必ず死ぬ。
だからこそ、生きているあいだ、思いっきり生きて欲しい。
それには、自分のことは自分で守らなければなりません。
薬膳を知ることは、その大きな武器を身に着けることなのです。
この想いを伝えたくて、少しでも沢山の事をお伝えしたくて、今も勉強を続けています。
フレンチ薬膳は、自宅のキッチンで生まれました。
父と母の為に勉強を始め、実際自分でレシピを作って料理してみると、どうしても全てフレンチっぽくなってしまうので、無理せず自分のスタイルでそのままフレンチ薬膳と名付けたのが始まりです。
それはきっと、幼いころから、フレンチのシェフだった父の書斎に並ぶ世界各国の料理本を暇さえあればめくり、父が作る繊細かつ華やかな料理に触れては感動していたことも背景にあると思います。
パリでの生活も、とてもシンプルでしたが、マルシェでの買い物や友人とのホームパーティーなど、生活スタイルや自然や文化を感じることが出来たのも大きいでしょう。
私は、両親から料理を通して愛情を伝えてもらいました。
父の料理、母の料理、どれも大切な味です。
フレンチ薬膳は、私の両親が残してくれた愛情です。
だから、フレンチ薬膳のコンセプトは愛情。
人は、愛情ごと受け取り、栄養にしています。
料理の技術ではなく、食べたその先の幸せや愛情をお伝えするのがフレンチ薬膳です。
これからは、五感で美味しいと感じる薬膳でないといけません。
味、見た目、触感、香りなど、五感を通して美味しいと思える薬膳、
そして、簡単に作れる家庭料理として、これからもフレンチ薬膳は進化し続けていきたいと思っています。
『かんたんフレンチ薬膳』
(主婦と生活社)
アンチエイジング・美肌・痩身など58のレシピを掲載。簡単に作れて美味しいフレンチ薬膳を、ぜひご家庭でもお楽しみください。
『血めぐり薬膳』
(A&F出版)
不調改善、体質別作り置きレシなど、血流がよくなり自然治癒力が高まって健康ときれいが手に入る!
簡単レシピ44点掲載!